「瞳は知っている」3
※ 前書きから読んでください。こちら⇒前書き
※ 風早×爽子カップルではありません。オリキャラ登場します。
このお話は 「瞳は知っている」1 2 の続きです。
あらすじ*風早は爽子と会って、目が離せなくなっていく自分自身に戸惑っていきます。
それでは以下からどうぞ↓
「瞳は知っている」 episode 3
そしてしばらくした頃、海沿いのカフェで会うことになった俺とハルと彼女。
そこの海は道内の若者が行くデートスポットで、お洒落なカフェが立ち並んでいる。
挨拶を済ませた俺は、初めて会う彼女に不思議な親近感を持っていた。
ハルがトイレで席を外し、二人になった時、ふふっと彼女は笑った。
「ん?何」
「あっごめんなさいっ。嫌な思いさせました?」
「いやっ全然。ただ何で笑ったのかなって」
「あ・・・・風早くんが、ハルくんの言った通りの人だったから・・・・すごく親近感が・・・」
そう言って、図々しくてごめんなさいっと彼女は必死で頭を下げた。俺は茫然となった。
同じこと思ってる。
「俺も・・・俺も同じこと思ってた」
「そうなんですか!?」
彼女は嬉しそうに目を輝かせた。その時、俺は時が止まったように身動きが取れなくなった。
彼女のすごく自然な笑顔を見て、俺の心臓がいきなり早鐘を打ちだした。
きっと会ってすぐは緊張してたんだな。笑った顔が本当に・・・なんというか本当に・・・・
ドクンッ、ドクンッ
「あ・・・ハルくん!」
「!」
「お待たせ〜〜〜」
「お、おうっ」
風早は今まで感じたことのない感情に戸惑った。
(何、してたんだっけ・・・俺?)
「どうしたん?翔太」
「いやっなんもねーよ。それよりトイレ遠かった?」
「近いで。そこを右に入ったとこや」
「俺も行って来るな」
「おーっ」
がたっ 立ち上がった風早はその勢いで足を椅子に引っ掛けてこけそうになった。
「大丈夫か?翔太?」
「大丈夫、大丈夫。ははっ」
「?」
様子のおかしい風早をハルは不思議そうに頭を傾げて見ていた。
「そうやっ爽子。夏休みなったら海行かへん?泊りで」
「え・・・!?」
「ふ、二人ちゃうで!////俺らのクラスの連中とやで。もちろん翔太も」
「あっう、うん!」
「だから、爽子の友達のえっこちゃんやともちゃんも連れて来れへん?」
「うん!聞いてみるね」
ハルに言われて、爽子は嬉しそうにぱぁぁ〜っと目を輝かせた。
「・・・・ハルくんの言うとおりの人だったね。風早くん」
「そ〜やろっ。あいつは信用できる。人として真っ直ぐで俺、好きやねん」
「うん・・・」
そんなハルの横顔を爽子は嬉しそうに見つめた。
***********
それからは、よく3人で遊ぶようになった。
その度に俺の瞳は正直だ。取り繕っている言葉と裏腹に、瞳は彼女を捉えて
離さなかった。彼女に会うたびに、惹かれていく自分自身を感じていた。
「黒沼さんは・・・・」
「なんか固いなぁ〜翔太。名前で呼ぶ?」
「ええ〜〜〜っ」
「”爽子”でえーんちゃう?」
”爽子”
(・・・さすがに呼びたくても呼べないよそれは)
「いや、それはだめだろ・・・。”黒沼”でいい?」
「あっ・・・!は、はい。それで!」
「ははっそれじゃ黒沼で。なんかクラスメイトみたいだな」
かくして”黒沼”になった。
きっと一生名前で呼べないんだろうな・・・・。あっ!二人が結婚したら下の名前で
呼べるのか・・・・。
「−た、翔太!!」
「え・・・!?」
「何、ぼーっとしてんの。夏バテか?今度の海の話!」
「あ・・・ああ。」
二人がいつも幹事で何かをすることが多かった。夏休み中の海への旅行も自然に二人
がやってくれるとクラスの連中は頼りきっていた。
「何人になるんだ?」
「なんかさ〜すごい人数かもよ。ゼミの奴とかも来たいとかゆーてたで」
「マジで?民宿、ホテル?」
その様子を爽子は嬉しそうに見ていた。
微笑んで、海を眺める彼女。黒髪が風に揺れる。ちらっと盗み見る表情はとてもきれいだった。
ハルに気付かれないように、そっと見る横顔。高鳴る心臓の音、そして波の音。
それは、いつもと違う夏の始まりだった。
あとがき↓
「君に届いたら」を頑張ろうと思ったのですが、ちょっと挫折。しばらく横道にそれます〜。
まだLastまで書いている話ないんでね〜。このお話がLastまで行きそう。短いので。
オリキャラハルは「花ざかりの君たちへ」の中津がモデルです。性格は違うとこあるけど。
ところで〜〜〜もうすぐ発売日!ワクワク、ドキドキ!映画は絶対一人で見に行くし♪
それではっ!いつも私の二次小説日記にお付き合いありがとうございます!また明日?
「瞳は知っている」 4 UPしました