初めての日シリーズ  「キス」

連載とは関係ない短編。二人の初めてシリーズの第二弾。う〜ん、初めての
キスはもっと違う感じでも書きたい気がする。まぁ〜お話の一つとして見てく
ださい。爽子目線です。
それでは以下からどうぞ↓





















風早くんとお付き合いしてもうすぐ1年。先日、私にとってすごい事があった。

私の人生にこんなことがあるなんて考えたこともなかった。そして、私がこんな

気持ちになることも・・・・。

すごく幸せな気持ち・・・・。でもびっくりして、何もできなかった。それから

ずっと、何も手につかない毎日を送っている。そんな私に風早くんは嫌いになら

ないかな・・・。でもドキドキして目を合わすこともできない。



あれからも一緒に帰っていた学校の帰り道、いきなり風早くんが声を上げた。


「あ"〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」

「!」

「こっち向いて!黒沼」

「え?は、はい」



風早くんはいきなり私の肩を掴んで、横に並んでいた私を向かい合わせにさせた。


ど、どうしよう・・・やっぱり目が見れない。


そう・・・先日、私は風早くんとファーストキスをしました。その時も、こんな風な

学校の帰り道でした。風早くんが河原でちょっと話してから帰ろうって誘ってくれたの。

私もまだまだ一緒に居たかったから嬉しくって。河原近くに座りながら、いろいろなお

話をしたの。でもその時はしっかり風早くんの顔を見れていたのだけれど・・・。



「あ・・・・黒沼、髪になんか付いてる」


そう言って、風早くんは私の髪に触れた。


「あ・・・ありがと」


お礼を言った後、風早くんの顔を見ると、何だか真剣なまなざしで私をずっと見ている

ことに気付いた。その目を見ているとドキドキが止まらなくなって・・・・。


「あ・・・あの風早くん?」

「・・・・・・・」


返事がなくて、私は何とも言えない空気に何か喋らないと・・・と必死になったその時だった!


「もう、そろそろ・・・・!」


気付いたら、風早くんの顔が近くにあった。


??


一瞬、何が起こったか分からなかった。

でも段々と今起こったことが何だったのか、はっきり自覚していく。この唇に残った感覚。

一瞬だったが、夢じゃない。   キ・・・・・キス?


「・・・・・・!!」

「突然・・・・ごめん。」


そう言って風早くんは口を手で覆って、プイッと顔を横に向けた。



「か・・・・帰えろ!」

「う・・・・うん」



その後、二人とも無言のまま、私の家の前まで来た。



「そ、それじゃ」

「う、うん」


風早くんはそれだけ言うと、後ろを向いて歩き出した。私はやっぱり顔を見れないまま。でも

風早くんも見てくれない様な気が・・・・。その時、歩き出した風早くんがピタッと止まった。

そして、後ろを向いたまま言った。



「俺・・・すっげー嬉しかった!一生忘れない」


それだけ言うと、足早に去って行った。



そっか・・・・・どきどきが止まらないけど、風早くんの目が見れないけど・・・・私もすごく

嬉しい。二人の初めての日。

初めての風早くん・・・・見れた。



***************



「もう、黒沼にちゃんと目を合わせてもらえないのは限界!」

「え!」

「ちゃんと見て!」


あ・・・私はしばらくの間トリップしていたことに気付いた。こんなに緊張しているのに、

トリップしてたなんて・・・。


そして、また胸の激しい動機が始まった。


風早くんは私の肩を強く握った。恐る恐る、顔を上げる。うわっ!どうしよう。どきどきする。

風早くんの視線と私の視線がぶつかる。


「この間、黒沼にキスした時、本当に嬉しかった。ずっと黒沼に触れたかったから・・・」


風早くんは顔をほんのり赤くして言った。


「黒沼の気持ちを考えてあげる余裕なんかなくて・・・・ごめん」


風早くんはそう言って頭を下げる。ち、違う!ちゃんと言わなきゃ。


「わ、私も嬉しかったよ!」

「え?」

「で・・・でもいっぱい、いっぱいで・・・・恥ずかしくて・・・ごめんなさい。

 風早くんの顔が見れませんでした」


そう言って、一生懸命風早くんを見た。胸の鼓動が早くなる。


「やばっ//////」


風早くんは手で顔を覆ってうずくまったかと思うと、すくっと立ち上がり、


「今度はちゃんと聞くね」

「え、あの・・・?」


また、あの時みたいな真剣で熱いまなざしで私を見た。



「・・・・キスしていい?」



私は目をぎゅっと瞑った。



そして、二人の影はそっと重なった。


そんな私の「初めての日」



<END>











あとがき↓

初めての日シリーズ二つ目でした。どちらかというともっと成長した二人の方が
萌える。特に、風早がやきもち妬いてラブラブになるというのに萌える私です。
結局、ラブラブを書きたいだけないんですね〜〜〜!それじゃ連載も頑張ります。
お暇でしたらまた覗いてやってください。

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