「Oh My Angel」(15)
翔太の病室にくるみが来ていると知って、複雑な気持ちを感じた爽子は?
これは「Oh My Angel」 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 の続きです。
以下からどうぞ↓
くるみが帰った後、爽子は翔太の病室を巡回で再び訪れた。
「あの・・・・・」
「え?」
爽子は翔太のシーツを換えながら、何かを言いにくそうにしている。
「あ・・・・いいです!」
さっきからそれを繰り返している爽子の腕を翔太は掴んだ。
「ちゃんと言って!何でも聞くから」
翔太の真っすぐな瞳に見つめられて、うっっと怖じ気づきながらも爽子は
心に浮かんだことをぽつりと話した。
「あ・・・あの、く、くるみさん・・・そのかわいいですね!」
「え??」
どうしてここでくるみが出てくるのか分からなかった翔太の頭の中は?だった。
そこに横のカーテンがガラッと開く。
「黒沼さん〜〜〜!くるみちゃんかわいいでしょ?でも翔太くんの彼女
じゃないんだって。」
山中が二人の会話を聞いて口を出す。
「あっい、いや・・・そうなんですか。それじゃ失礼しますっ/////」
がらっ
慌てて出て行った、爽子を茫然と翔太は見送った。
「ん?何だろ?」
首を傾げる翔太に山中は言った。
「へぇ〜〜〜何か意外。黒沼さん、結婚するんだよね?」
「うん?」
「へぇ〜〜〜まさかね」
「?」
そう呟いて、山中はベッドに横になった。訳が分からない翔太も一緒に
横になった。そして、お互い天井を見つめる。
「山中さん。もうすぐ退院だね。」
「そうだね・・・。寂しいよ。翔太くんと別れるの。けっこ〜付き合い長く
なったもんな〜。」
「うん。・・・俺、兄貴いないから、山中さんが兄貴みたいだったな」
「うぉ〜〜〜〜翔太くん。やっぱ寂しいよ!!」
山中は涙ぐんでいたのか、布団の中に顔を隠した。そんな山中の姿に翔太は
温かい気持ちになった。しかし・・・余計に一言が投下される。
「翔太くんももうすぐかもね。黒沼さんと居られるのも・・・後少しだね」
「・・・・・・・」
やはり、山中は空気の読めない男であった。
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「あ〜〜あははっ!それってヤキモチだよ!」
部屋でくつろいでいる爽子の携帯から高らかな笑いが聞こえる。
爽子は電話をくれたあやねに先日のくるみと翔太を見た時の複雑な気持ちを
話していた。
(やきもち?)
「んっとにかわいいんだから。爽子は。確かに市東さんの気持ちも分かる
かも。征服欲が出るっつーか!あはは〜〜」
「???」
「あのね、爽子。好きな人が自分以外の人に目が向いていたり、仲良くして
いたりすると、人って独占欲とか嫉妬とか起こるのよ。それが自然。それ
だけ好きだってことよ」
「あ・・・・。」
そっかぁ〜〜この胸の痛みはそうだったんだ。
「ね?市東さんの時に感じたことがないとしたら、やっぱり好きじゃなかった
んだと思うよ」
「・・・・・・。」
聖さんはモテるから女の子が寄ってくることは多かった。でも確かにそれに
対して、何も感じたことなかった。
「そっか・・・人を好きになるってこういうことなんだね」
「ふふ・・・・やっと爽子も目覚めたか!」
なんだろう・・・思ったより嬉しい。このふわふわな気持ち。友達に話せるって嬉しい。
生まれて初めての気持ちが爽子の胸いっぱいに広がった。しかし、目線はふっと棚の上
にある指輪に行く。先日市東に会った時、指輪を持って行ったのだが、市東は受け取って
くれなかったのだ。
「どうしたら・・・いいんだろう」
今日も、爽子は大きなため息をついて、眠れない夜を過ごした。
あとがき↓
初めての感情をもった爽子。どんどん翔太への気持ち強くなっていくほど、市東に
対する申し訳ない気持ちも強くなり悩み続けます。そんな時、ちょっとした事件が!
更新が遅くなりました。まだ続きます〜!続き、見に来て下さい♪
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