「I love you smile」クリスマス編(2)


こちらは I love you smile          10 11 の続編になります。
クリスマス編 (1) からどうぞ!


あの後、1年後のクリスマスのお話。急に書きたくなりました。大分前のお話です。
興味がある方は、上から読んでみてください。


*あるクリスマスの日、爽子は以前働いたことのあるバーで働くことになった。そこ
 には健人がいて、新たな関係を感じて嬉しくなった爽子だった。さて翔太は!?
 以下からどうぞ↓













* * * * *


「ところで爽ちゃん、今日のこと風早くんに言ってないよね?」

「あ、はい。でもなぜ・・・?」

「いや〜あの人ね、すっごい独占欲強いからね」

「えっと・・・?」

「いや、こっちの話。それじゃ倉庫からこのリストの酒揃えてくれる?」

「はいっ!」


きょとんとしていた爽子は”仕事”となると、目をきらっとさせて切り替えるように

パタパタと倉庫の方へ仕事をしに行った。


その時、勢いよく店の戸が開けられる。


カランッどんっ


「―すみませんっ!!遅くなって!」


翔太が焦った様子で店に入ってきた。


「おっせーよ。風早。はいっ減給決定!」

「えっ?・・・なんだよ〜三浦かよ。なんで開店前からいるんだよ」

「ふっふっふっ」

「な、なんだよ〜〜気持ちワリー」


そんなこと言いながらマスターにすみませんと会釈して、翔太は更衣室に入っていった。


マスターは翔太の後姿を見て、またにやにやした。


「あ〜〜〜たのしみっ。風早くんの反応。」

「やばいんじゃねーの?だって以前爽子ちゃんがバイトしてる時の写メ送った時、削除
 しろってそれとなくうるさかったし」

「風早くんの彼女にベタぼれぶりがかわいくってさ〜ついついね。」


健人がはぁ〜っと呆れたようにマスターを見てると翔太がやってきた。そして、いつも

通り仕事を始めた。


「昨日の今日で起きれなかったんじゃないの〜?お兄さん」


横でマスターが嫌味っぽく言うと翔太は顔を真っ赤にした。


「そ・・・そんなことないですよ////」

「まじ??お持ち帰りとかしたの??」

「!!」


追い討ちをかけるように健人が言うと、翔太がばしっと健人を軽く叩いた。


「そ、そんなわけないだろっ///」

「イテッそっか〜爽子ちゃんの両親が外泊なんて許すわけないもんな。うわぁ〜かわいそっ

 風早いつまでお預けなんだろ〜あははは〜」


バシッ


「イテッ!」


もう一度叩かれる健人だった。


「でも、今日は爽子ちゃんと会えるから嬉しいな」


健人がにやにやしながら言うと、翔太はせっせとグラスを磨きながらじろっと健人を睨む。


「あ〜俺だけじゃないから。マスターもだもんね」

「風早くん、なかなか会わせてくれないからね〜」

「いや・・・そんなわけじゃ」


バツが悪そうな翔太はマスターと健人から視線を逸らして仕事に専念した。


「風早くん」

「はい?」


そんな翔太をこちらに向かせ、マスターは真剣な目を向ける。その姿を笑わないように

横で必死で堪えている健人。



「いや〜風早くんもうちで働いてくれて一年、売り上げにもかなり貢献してくれたね。」

「はぁ・・・?」


翔太はいきなりのマスターの褒め言葉に意図が分からず戸惑ったような表情をした。


「だから・・・クリスマスプレゼントあげようかと思ってね」

「え??」


翔太は大きく身体を仰け反らせた。昨日のイブでマスターにかなり反感を買っていると

思っていたので、予想外の言葉に驚いた。


「え?マスターが?」

「そうだよ〜あれ?意外?」

「いや・・・そんなことないですけど・・何を?」


マスターは段々と目を輝かせてる翔太を見て、ふっと笑った。


「やっぱり風早くんはかわいいわ。素直だねぇ〜」

「へ?」

「アハハハ〜〜〜〜ッ」


目を丸くさせている翔太を健人も指差して大笑いした。


「な、なんだよっ!三浦」


翔太がムカッとした顔をして健人を見ていると、マスターは二人を眺めてにっこりと

して言った。


「風早くんと健人ってまるっきり違うように見えるけど、意外と似てるね」

「「ええ!!」」


二人は声を揃えてマスターに食い下がった。


「コイツと似てるなんてやめてくださいよっ!!」

「ひどいな〜風早。女の子にもてるってところは似てんじゃないの?あはは〜」


明らかに嫌がっている翔太と能天気に笑っている健人。そんな対照的な二人をマスターは

嬉しそう眺めている。


「女の趣味が似てるとことかかな?」

「え・・・・」


マスターがからかい気味に言うと、翔太は固まった。


「あれ?洒落になんなかった?」


ガタッ


その時だった、向こうの方でなにやら音がして、3人は一斉にその方向を向いた。

そして、二人は翔太を見た。


「・・・・・・」


向こう側の戸が開いた瞬間、翔太は目を見開いたまま固まっていた。そして、そこに

釘付けになったのでした。






<つづく>




「クリスマス編」 (3) UPしました。





あとがき↓

健人と翔太のやりとり好きです〜!もっと本誌でも見たいなぁ〜。さて、次回最後です。
しかし、1年早いですね!もう今年も終わりじゃないですか。色々やることはあるのに、手
につかない私です。皆さんも年の瀬お忙しいことでしょう。掃除の合間にでもよければ遊び
に来てください♪