「Oh My Angel」(8)

山中から聞き、失恋を確信した翔太はなかなか立ち直れず・・・・。
これは「Oh My Angel」       の続きです。
以下からどうぞ↓













あの後からどれぐらいの時間が経ったんだろう。やはり眠れず、時計を見ると

まだ1時間も経っていなかった。


まさか、恋を自覚してすぐに失恋なんて思ってなかった。

何を考えるでもなく、ただ真っ白な天井を見ていたその時、隣から声がした。



『翔太くん!翔太くん!』


翔太は、カーテンを開けた。


「やっぱり起きてた。なんか・・・ごめんね!」

「え?何が?」

「黒沼さんのこと、そんなに本気って知らなかったから・・・」

「・・・・・。」


「で、でもさ!翔太くん、噂だから本当のことちゃんと本人に

 聞いた方がいいよ」

「うん・・・・ありがとう」


翔太は思わずふっと笑った。責任を感じたであろう山中がさっきと反対の

ことを言ってきた。山中の情報にはきっと間違いがない。その現実を後は

認めるしかないんだ。果たして、受け入れられるだろうか・・・・。



****************



それから相合傘で一緒に帰る二人を見たり、二人で笑いあってる姿を見たり。

逆に、今までなんで見なかったんだろうって思うくらい。



そして、あれから山中さんは知りたくもない情報も教えてくれた。(意外と

K・Yなんだよね、山中さん)



市東聖(しとうひじり) 30歳ぐらい。

内科の医師。若手の中では腕がよく出世街道まっしぐら。仕事が出来る上、

ビジュアルが申し分ないということで看護師の結婚相手候補NO、1。

人当たりもいいので、患者からも同僚からも人気がある。そうだ。

今まで、人と比べてどうかなんて考えたことなかった。でも・・・・・。



(俺・・・全くかなわないじゃん)



その上、もっと最悪な情報も。


”二人は婚約してるんだって”



「はぁ・・・・・。」



翔太はショックから立ち直れずにいた。こんな自分は初めてで、

どうしようもない気持ちを持て余していた。


「か・ぜ・は・や」


その時、部屋のドアが開いたと思うと、くるみが顔をちょこんと出した。


「今日は、一人で来ちゃった」

「あ・・・胡桃沢。」

「!」


くるみは驚いた。こんな風早を初めて見たのだ。すっかり目が病んでいた。


「か・・・風早?」

「ごめん・・・折角来てもらったんだけど、ちょっと体調悪くてさ」


そう言って、翔太はくるみに帰ってもらった。


帰り道、くるみは考えていた。


(病気であんなになったんじゃない。もしかして・・・・)


その時、顔を上げると、思い当たる人物が前を歩いていた。


「あのっ!」

「あ・・・・」


黒沼爽子だった。くるみは爽子を裏庭に誘った。


「あの・・・何でしょうか?」


くるみは爽子をじっと見た。男の人は白衣の天使に憧れると言う。


(風早もこの服に騙されてるだけだわ)


「あの、私胡桃沢って言います。私・・・か、翔太くんと付き合ってます」

「!」


そう言って、くるみは爽子の言動を見守った。


「あ・・・そうなんですか。あの、どうして私に?」

「・・・別に。ただ、翔太くんの担当だって聞いたのでお伝えしておこうと」

「あ・・・そう、ですね。よろしくお願いします」


爽子は深々とくるみに頭を下げて、「失礼します」とその場を去った。


くるみは爽子の後ろ姿を見ながら少し口角を上げた。







あとがき↓

別マゲットするために早起きしてしまったから早々にUPします。
しかし・・・来月の連載がないなんて!待てるかな〜2ヶ月。
でもどんな仕事も必ず〆切があるけど、焦って描いてもらうのも
困るので、椎名先生にはちょっとゆっくりしてもらいたいという
気持ちもあります。頑張って妄想でつなぎます。(笑)
次回は爽子と市東のデートの場面から!それではよければ、これ
からも私の妄想にお付き合いください。

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